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受信してなんぼの世界
―世界が電波と、携帯端末に満ちた時代。

携帯端末の発展はとどまることを知らず、今では建物、乗り物、また人体そのものが受信用端末と化している。
日常生活はもとより教育、医療、政治、軍事産業、あらゆる場面であらゆるタイプの電波が宙を埋め尽くしていた。
人々はその体に直接、プログラムやパッチをダウンロードするという行為を当たり前に行い、
立ち並ぶビルにはアンテナが天へ向かって伸び、いかに受信状況が良いかを競い合う。

そういった状況を悪用する者も後を絶たない。
いわゆるスギ花粉のような電波や、コンピューターウイルスのような電波、そういった問題も深刻化している。

守草シズルは、電波によるアレルギーでクシャミと目のカユさに苦しんでいた。
そんな中、とある企業が電波アレルギーの特効薬とも言えるプログラムを開発中、
突如としてテロリスト集団にビルごと占拠された。
なんとそこにはシズルの父も仕事で偶然居合わせていた。
シズルは、相棒の相田タダヨの助けを借りて、学校の備品を改造した端末スーツ小次郎に乗りこみ、
特効薬と父の救出という目的のもとに、テロリストへ戦いを挑むのだった…!


増設してぇなぁ
受信端末としての機能を肉体そのものに移植する手術の事。
SUSBadv.4.0や旧式のいくつかの端子に対応した受信デバイスを、
爪や歯、骨等に埋めこむ事で、ネットに常時接続された肉体を提供する(任意の接続と切断ももちろん可能だが)。
その度合は様々で、軽いものでは任意の爪、歯に挿し歯のように取り付けるタイプのもの、
高価なものでは脊髄や頭蓋に直接接続するタイプのものまで。
そこまでやっている者は、それほど多くないと思われる。

人間の視覚情報に接続され、目を開けていても閉じていても、視界に受信した情報を表示する。
情報は血液中を通して輸送される。

簡易なものは特別な許可等は要らず、未成年の場合も保護者の許可があれば施術が可能。
しかし高度なものになると特定保健機関など国からの審査が必要で、許可が降りないと手術することが出来ない。
現状、そういった審査をかいくぐりデバイスを提供する、いわばヤミ医者、ヤミ業者は増える一方である。

デバイスの種類にもよるが、基本的に高価な物ほど扱える情報量や操作感、操作の範囲は広い。
例えば主人公のような学生がつける程度のものは、簡単なメールの送受信(もちろん容量制限あり)や、
レベル21以下のウェブサイトの閲覧、書き込み(ファイルの添付不可)などに機能が制限される。
ウェブサイトのレベルは、国の機関が定めるもので、その内容によって判定される。
簡単なところでは、未成年者がアダルトサイトを見ることが出来ない、といったようなもの。
レベル1〜20までは基本的に18歳以下でも見られるもので危険性が無いサイト、
21以上からは何番まであるのかは実際に知るものは少ない。
またそのレベルという概念と別のところにもサイトは存在する。
おそらくテロリスト達は、高価なデバイスを用い、かなりのレベルのサイトまでアクセス出来るものと思われる。


※端末手術が一般的に普及するのは4060年あたりから。
それまでは高額な事や医療技術の問題等でごく一部の政治家や芸能人などの間で行われていた程度。

※サイトのレベル認定は、国の専門機関に届出を出すことでなされる。

届出の無いサイトは無数にあるが、それらは各機関(警察など)からの調査やデータ公開には、
無条件で応じなければならない。
(届出済みのサイトでも、なにか事があった場合はその例外ではない。)

毒電波っ
デモシーンで、シズルが着けている腕時計。
そこに映し出されている文字。『 I.R. 』とは何か?

─この世界では、空気中が様々な電波で満ちている。
それらには多くのタイプと属性があり、それが各方面に様々な影響を及ぼす。
大まかに、

『A.R.』 (エーアール)
『I.R.』 (アイアール)

の2種類に分けられる。

これは飽くまで民間レベルで浸透している分類で、実際には学術的に多岐に渡る。
Aは「Actual(実数)」、I は「Imaginary(虚数)」の意で、Rは電波(Radio wave)の意。
簡単に言うとA.R.は善玉、I.R.は悪玉電波である。
善玉が増える分には基本的になんの影響も無いが、悪玉が増えると花粉症のような症状が起きたり、
人によっては朝起きることが出来なかったり、頭痛を引き起こしたりと、やっかいな事になる。

悪玉の発生に関しては研究が行われて居るものの、ハッキリとした原因は掴めていないようだ。
プログラムの接触と、外部要因が重なると発生する、と言われる。

過去、最も酷かったのは、シズルが産まれる8年前で、殺人や暴行、自殺などが爆発的に増加した(ニ暦4072年)。

この大きな2種類の電波量を、人々はあらゆる場面、メディアを通して天気予報的に知ることが出来る。
表記の例としては、「只今のA.R. 71.34%」「只今のI.R. 7.88%」等。
もっぱら、人々の関心はI.R.にあるので、それのみが表示される。
だいたい25%を越えるか越えないかまで来るとヤバい状況で、たいていの日は7%前後。
ちなみに前記の酷かった年は、57%を越えたという。

主人公シズルの症状は大したものではなく、いわゆる典型的な花粉症のようなもので、
10%を越えてくると目がカユくなったりクシャミが止まらなくなったりする。
「ラジルギ」という言葉は、若者が使い始めたと思われる電波アレルギーを表すスラング。


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